その楽園から脱獄せよ。
私たちの未来のために-
- 2020年公開
- サスペンス
- 平川雄一朗監督
- 後藤法子脚本、白井カイウ、出水ぽすか原作
- キャスト:浜辺美波、城桧吏
『約束のネバーランド』概要
自然に囲まれた「グレイス=フィールドハウス」という児童養護施設に暮らすエマ、レイ、ノーマンの三人の子供たち。
そこで働くイザベラはママと呼ばれて子供たちから慕われていた。
子供たちは脳みそを鍛えて極上の食用となるためにその施設で英才教育を受けている。
食用児としての出荷が決まった子供は里親に引き取られるという名目で施設を出て行くことになっている。
ある日、エマとノーマンは出荷され殺害された子供を目撃してしまうのだった。
登場人物
エマ(浜辺美波)
優秀な子供の一人。明るい性格。運動神経が良くムードメーカー。
レイ(城桧吏)
同じく優秀。冷静沈着で物静か。いつも本を読んでいる。
ノーマン(板垣李光人)
施設で一番の天才。誰に対しても優しくリーダー的存在。
クローネ(渡辺直美)
イザベラをサポートするために本部から派遣されてきた臨時のシスター。
イザベラ(北川景子)
子供たちから慕われているママ。本部からも完璧と思われている。
牧歌的な雰囲気から一変する
オープニングは綺麗な森の中に建てられた洋風の施設。
白い洋服を着た子供たちが無邪気に遊んでいて、イザベラことママが優しそうに微笑んでいます。
子供同士は仲が良く、上の子が下の子の面倒をみています。
いかにも幸せそうなほのぼのした雰囲気。
しかし場面が一変。
子供たちは暗い部屋でヘッドセットをして何やら英才教育を受けています。
森の中の牧歌的な雰囲気とは対照的でここで引き込まれてしまいます。
そこから里親の決まったコニーをみんなで見送りますが、コニーは大事にしていたヌイグルミを忘れてしまう。
エマとノーマンが急いで後を追いかけて届けると、そこには無残なコニーの姿が!という衝撃展開でした。
イザベラの苦悩
食用と知りながら子供たちを素知らぬ顔で見送っていたイザベラですが、イザベラやシスターのクローネにも秘密がありました。
恐らくイザベラ自身も随分と苦悩したのだろうと考えます。
ならばせめて施設にいる間だけでも幸せな時間を送らせてあげようという感じでしょうか。
原作を読んでいないので外の世界がどういう状況なのかは知らないし、映画もそこまでは描かれていません。
ただ、優秀な子供を育てたのなら食用に出さず何人かは生かして、解決策を考えさせる方向に行けばいいのにとは思いました。
まるで家畜のよう
人間に食べられるために飼われている牛や豚ももしかしたらこんな気持ちなんだろうか?
と観た人の多くが感じたのではないだろうか。
牛や豚からすれば人間こそがこの映画でいう鬼になってしまうんですね。
ちょっとだけ考えさせられました。
昨今は食品ロスについて色々といわれてきています。
仕事帰りにスーパーに行ったら総菜コーナーは前は割引シールが貼られていっぱい余ってましたが、今は売り切れ状態で何もない事も多いです。
せめて、廃棄をなくして感謝しながら美味しく頂くのが精一杯の出来る事だと思います。
ちょっとだけカズオ・イシグロさんの『わたしを離さないで』に似てますね。
あちらは、この映画以上に残酷な話でしたが。
『約束のネバーランド』を見終わった感想
少し残念な感じだったかも・・・
ストーリー自体はマンガが原作で映画化されるくらいだから良く出来ているのですが、かなりの違和感がありました。
無国籍という設定なんだろうけど、子役のかつらが何とも違和感がすごい。
無理してかつら被らせなくても、もう日本って設定で良かった気もします。
後は、子役の演技が・・・。
子役なので仕方がないけれど、学芸会だった。特にレイ役の子が。
活舌もすごく悪かったです。
設定は12歳だけど、エマ役が12歳はさすがにない。高校生くらいに見えます。
そのせいか北川景子さんの演技力がとてつもなく光って見えました。
渡辺直美さんも熱演してたけど、まんま渡辺直美さんでした。悪くはなかったです。
実写化に無理があったのかなと感じた作品でした。
原作はコミック
衝撃の脱獄ファンタジーとなってますね。
原作の方は集英社から発売されていて、2020年に完結しています。
全20巻となってますので、コミックにしてはそんなに長編ではないので読んでみたいですね。
観てませんがテレビアニメ化もされています。
こちらは原作とは少し内容が変わっているようで、どうなっているのか気になります。